BABYMETALが今、あえて「ライヴCD」を発表する意義






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BABYMETALが今、あえて「ライヴCD」を発表する意義
 
BABYMETALライヴCD『LIVE AT BUDOKAN~RED NIGHT~』レビュー


 1月7日、BABYMETAL初のライヴCDである『LIVE AT BUDOKAN~RED NIGHT~』がリリースされた。

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同日に映像ソフト『LIVE AT BUDOKAN~RED NIGHT & BLACK NIGHT APOCALYPSE~』がDVDとBlu-rayで発売されているので、そのオマケ的な発売では? と思っている向きもあるかも知れないが、それは大きな間違い。そこにはBABYMETALの、今後進んでいく道への決意、ライヴに対するこだわりが隠れているのである。今、どうしてライヴCDなのか? その内容とは?

ライヴアルバム(CD、アナログレコードなど)が、ほとんどリリースされなくなって久しい。70年代以降、特にロックバンド系ではライヴアルバムを制作することは当たり前であったが、70年代後半にVHSが家庭に普及し映像作品が発売されるようになると、音源によるライヴ作品は徐々に需要を減らし、2000年代に入ってDVD作品が容易に制作されるようになるとライヴ音源作品は大きく発売数を減らした。

 今でも海外のロック系アーティストでは、安価にライヴ作品を制作出来るライヴCDは発表されているが、日本国内では、映像作品にほぼ取って代わられてしまったという状況だ。

 しかし、ライヴアルバムが音楽の歴史で果たした役割は大きい。イギリスのハードロックバンド、ディープ・パープルは1972年の日本公演(大坂フェスティバルホール・日本武道館)をレコーディング。『ライヴ・イン・ジャパン(洋題 Made In Japan)』

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として日本で発売された後、世界各国でもリリースされた。日本のチャートでは最高14位、アメリカではビルボードで最高6位、プラチナディスクを獲得するなど各国でヒットを飛ばした。

 作品内容も、当時の彼らのライヴの凄まじさを知らしめるもので、ディープ・パープルの最高傑作アルバムにこの作品を挙げるファンも多い。

 ディープ・パープル以降、日本でのライヴをアルバムとしてリリースするアーティストが増えたが、中でもアメリカのロックバンド、チープ・トリックが1978年にリリースした『チープ・トリックat武道館(洋題Cheap Trick at Budokan)』は意義深い。

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  当時のチープトリックは日本では既に人気沸騰していたが、本国アメリカではほとんど無名の存在。日本で発売されたこのライヴアルバムが輸入盤としてアメリカで評判となり、翌年正式にリリース。ビルボードで最高4位、トリプルプラチナムを獲得。チープトリックはアメリカを代表するロックバンドに育っていった。

 こうしてライヴアルバムはロックバンドにとっては自身のライヴの魅力を伝える最高のアイテムに発展していったのだが、それは日本のアイドルというジャンルでも同様で、70年代には山口百恵や西城秀樹といったトップアイドルたちも頻繁にライヴアルバムを出していた。

 しかし80年代以降ライヴビデオがリリースされるようになると、特にヴィジュアルも重要な要素であるアイドルのジャンルでは、ライヴアルバムは急速に姿を消していったのだ。

 そんなライヴアルバム不遇の時代の中、今年BABYMETALのライヴ作品がCDフォーマットで発表されたのはある種の衝撃であった。

 同時発売のDVD・Blu-rayを見れば一目瞭然だが、メンバーのヴィジュアル的魅力やダンスパフォーマンス、大仕掛けなセットや演出など、見た目の要素が重要であった武道館公演を、音だけで勝負するしかないCDでリリースするのは大きな冒険であったろう。そこにはアイドルであると同時にヘヴィメタル・アーティストであるBABYMETALの、「ライヴこそが勝負の舞台」という決意と覚悟が秘められているようだ。アルバムジャケットにもそれは表れている。メンバーの姿は一切ない。ただのまっ赤なジャケットに、エンボス加工で浮き上がるアルバムタイトルというスタイルはアイドルらしいデザインではなく、ヘヴィメタルのCDジャケットのそれだ。

 音を聞いてみると、余計な装飾のない、ネイキッドで生々しいライヴサウンドの音像が浮かび上がってくる。ボーカル、バンドサウンドやSE、オーディエンスの歓声がバランス良くミックスされており、その場の空気感・熱が良く伝わってくる。『ヘドバンギャー!!』などではSU-METALの息づかいまでもがハッキリ聞こえる。目を閉じれば当日ライヴ会場で見た光景が鮮やかに脳裏に浮かんでくる。

 マスタリングを担当したのはアメリカの名マスタリング・エンジニアであるテッド・ジェンセン。

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ノラ・ジョーンズのアルバムでマスタリング・エンジニアとして初のグラミー賞・最優秀アルバム賞を受賞したテッドの手によるサウンドは、まさに目の前でライヴが行われているような臨場感あふれるものとなった。

 チャートアクションを見てみると、オリコン週間アルバムチャートで初登場3位。女性アーティストのライヴアルバムのトップ3入りは女子十二楽坊の『奇跡』

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以来11年2ヶ月ぶり、日本人女性グループに限るとWinkの『ShiningStar』

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以来何と24年7ヶ月ぶりの快挙となった。

 海外ではアメリカ・ビルボードのワールドアルバム週間チャートで3位。iTunesのメタルアルバムチャートではアメリカ、イギリス、ドイツなどで1位を獲得、その他の国でも軒並みトップ10にランクインした。

 このようにチャート的に見ても歴史に残る快挙となったが、前述したディープ・パープルやチープ・トリックのライヴアルバムのような歴史的な意味を持つライヴアルバムになるかどうか……。その答えは、いよいよ始まった〝メタルレジスタンス第三章〟にある。

http://www.entamenext.com/news/detail/id=1282

 
 
 Twitterの反応

 

音だけで勝負するライブCDで歌修正するのってどうなんすかね

— オカライタメ (@okaraitame) 2015, 1月 22

マスタリングがテッド・ジェンセンってだけで一聴の価値有り ライブ盤とはいえかなり拘ってる

— Yoshiaki KAWACHI (@akipoo1005) 2015, 1月 21

出さない方針のアーティストもいるけど、ビジュアル等の余計なものに邪魔されることなく音に集中出来るから本当は出して欲しい。

— かじゅき (@kajyukich) 2015, 1月 21

 あえてヴィジュアル抜きで勝負するアイドル。

— SaltyDog (@SaltyDog_wow) 2015, 1月 21

 やることがいちいちかっちょいいよ惚れる

— ししとう(17+α) (@shishitow3_aohr) 2015, 1月 21

解説読んでいて泣けた…

— Hiyama yasunari (@ameibu) 2015, 1月 21

アルバムとちがって生の楽器だから発売しなくてはいけなかった。 生歌生演奏だから発売する意味があった。

— パンデモニウム【vip】 (@KornKron) 2015, 1月 21

確かに最近は『一作品』としてのライブアルバムはあんまり無いね。 ライブ音源が特典でつくことはあるけど

— Non-Kun (F.O.C.) (@foc_non_kun) 2015, 1月 21

かなり贔屓目ではあるが、概ね同意。すでにチケットが取りにくい状況だからこそ、多くの人にLIVE感は知ってほしい。

— 21310 – METAL (@21310_METAL) 2015, 1月 21

そう、生々しいのですよ、特にVo.が。前にも呟いたけど。ライヴ以上にライヴな出来だと思うのDEATH

— iz-f (@izf_t) 2015, 1月 21

ライブ見すぎて演奏と歌だけでも最高なの当たり前になってたけど、確かにアイドルでビジュアル抜きライブ音源ってすごいね。音だけでもかっこよさと可愛さが伝わる。

— のいず(REDWELL-METAL) (@redwell_noise) 2015, 1月 21

ベビメタの役割がいかに世界のHR/HM界ひいては音楽界にとって大きいかって事ですよね!

— KABO-METAL (@KaboMetal) 2015, 1月 21

 

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