今や、日本のアイドルは世界にも通じるコンテンツとなった。そんななか、あえて「アイドル」という枠からはみ出すことで、どんなアイドルよりも世界的な高評価を得ているのが「BABYMETAL」だ。
彼女たちが「アイドルか否か」という議論はとりあえずさておき、現在の国内アイドルシーンを考察する際、BABYMETALの成功がひとつのフォーカルポイントとなるのは間違いないだろう。海外フェスで熱狂を呼ぶ、“ベビメタ”の強みとは?
2010年11月、アミューズ所属の女子小中学生グループ「さくら学院」の“クラブ活動ユニット”として誕生したBABYMETAL。
さくら学院が純粋なアイドルグループであることや、初期の活動ではカラオケ音源と当て振りのバックバンドを使っていたことなどから、当初のBABYMETALは、奇をてらった“企画物” として見られがちだった。その捉えられ方が急速に変わっていくきっかけとなったのが、2012年10月、Shibuya-O-EASTで行われた初の単独公演。アンコールで登場した「神バンド」の存在だ。
BABYMETALの魅力や成功の要因は、さまざまな視点から諸説あるのは当然だが、国内屈指の凄腕ミュージシャンによる生バンドが“商品”の価値を飛躍的に上げ、その後の可能性を一気に拡大させたのは疑うまでもない。
山口百恵や松田聖子らが活躍した60~70年代、アイドルに限らず、歌手が歌を披露するときには生バンドによる伴奏が主流だった。音楽番組やバラエティー番組を見れば、歌い手の後ろには、必ずフルバンドと指揮者が控えていた。
「アイドルソングに指揮者!?」
昨今のアイドルファンには、冗談にしか思えない光景だろう。生バンドによる伴奏は、独特のあたたかみやグルーブ感、いい意味での緊張感をもたらす。ただ、その緊張感は「不安定」の裏返しでもあり、ハプニングも日常茶飯事だった。生放送というスタイルも多かった当時の音楽・バラエティー番組では、意図的に伴奏のテンポを早め、所要時間を短くするという荒技も行われていた。
いささか話が脱線したが、そうした生伴奏前提のステージ手法がガラリと変わった背景には、当然のごとく「カラオケ」の普及がある。2010年代、テレビ出演時はもちろん、コンサートでも生バンドを使用するアイドルは少ない。もちろん、まったくいないわけではないし、近年にも「アイドル+生バンド」という形式は用いられている。
BABYMETALに話を戻せば、彼女たちは、効率よく日銭が稼げる接触系のイベントは行っていない。その代わりではないが、決してギャラが安くはない本格派アーティストを起用し、パフォーマンスのクオリティーを上げた。結果として、国内のハードロック/ヘヴィメタルファンを取り込み、海外のフェスでも嘘偽りのない熱狂を生んでいる。
同じアプローチをする必要性はないが、商品クオリティーと顧客満足度を考えるとき、ピュアアイドルたちがBABYMETALから学べる点は多いはずだ。
一部抜粋
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