7月22日、23日、24日の3日間にわたり、20回目のフジロックが苗場スキー場で開催された。この「20回」という大台も、単なる数字とみなすこともできるだろう。だが3日間を現地で過ごし、最早この先もなくてはならない音楽フェスになり得たフジロックの姿を目のあたりにしたことで、やはり感慨深さを覚えてしまったというのが事実だ。メジャー史上30人目の3000安打を達成したイチローをみんなが無条件に称えたように、と言ったら大げさかもしれないが、それくらい今年のフジロックにはお祝いムードが漂っていて、それはいかにフジロックが国民的な夏の風物詩であるかを物語っていた。
ホワイトの注目度と言えば、やはり3日目のBABYMETALだろう。もちろん、ところ天国とホワイトを繋ぐ橋には大渋滞が起きた。ちょうど厚い雲に覆われ小雨がパラつくという、どこかしら「逆境」みたいなものをイメージさせるシチュエーションも加味したのだろう、3人は強い意志そのもののようなオーラを宿しステージに現れた。世界レベルという称号に最早疑いの余地がないのが今のBABYMETALだと思うが、フジロックにおいては異色のブッキングだ。だが、ステージ上の超人芸の如きバンド演奏からも、微塵の隙もなく動き続ける3人の劇場型のパフォーマンスからも、このプロジェクトが世界レベルであることを瞬間的に教える完璧な内容だった。また、お決まりのタイミングで生じた巨大サークルピットがビジョンに映ると、フジロックのお客さんにとっては新鮮なのだろう、「あ、あれがサークルかぁ」と素朴な感想が聞こえてきてなんだか微笑ましくもあったのを覚えている。普段、無意識的にでも意識的にでも自分に作られている音楽の趣味というボーダーラインも取っ払ってくれるのがフジロックであるが、自由な音楽の聴き方にある豊かさが特に感じられるのが今年のラインナップであったと思う。
引用元:
http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1470653584/
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